…なぁ、知ってるか? お前と出会ったとき、オレはお前が嫌いだった事を

如何にもお坊ちゃんな『甘やかされてきました』って態度も

ヒョロヒョロした体格も

すぐに倒れたり、病気になる弱さも

だから親父にお前の面倒を見ろと言われたとき心底嫌で堪らなかった

 

ある日、病気にかかったお前の看病を任されたな

お守に耐え切れなくなっていたオレはベッドで横になっているお前に吐き捨てるように言った

「オレはお前が嫌いだ」と

そうしたらお前は傷つくと思った

泣き出すと思った

オレを「兄弟子!」と呼んでくっ付いて来る事も無くなると思った

それでオレはスッキリすると思ったんだ

もう子守などする必要はなくなると

でもお前は起き上がり、悲しそうな笑顔でハッキリ言ったんだ

「そんな事、知っていました」と

 

 

 

…なぁ、知ってるか? あの日の出来事が今でもオレの中に在る事を

お前の言葉に驚いているオレに向かって

何故かお前はポツリポツリと自分の人生に起こった事を話した

死んだ両親のこと

双子の兄のこと

双子に産まれた為に浮彫りになった王権と教会の対立

城内に満ちる悪意に満ちた誹謗や中傷

酷い言葉で綴られた手紙や陰口

「だから、嫌われるのは慣れてるんです」と酷く小さい声で言ったとき

オレは思った

こんな小さなお前がこんなにも耐えて生きてきたのに

オレがお前の子守くらいで音を上げたら立つ瀬が無いと

そしてオレはオレ自身を恥じた

 

そして………

 

 

 

…なぁ、知ってるか? 人は死ぬ時思い出の花束を持ってあの世に行くんだってな

オレは花束なんかいらない

只、持っていけるとするなら

お前が持っている悲しみと、痛み、負の感情の全てと

これからお前に降りかかる全ての災いを

オレが行くトコロに持って行ってやる

少しくらいキツイ方が楽しめるってもんだろ?

 

不出来な兄弟子にはこれ位しか出来ねぇけど

少しは感謝しろな?

 

これからお前は自分が幸せになる為に生きろ

自分が思った通りに生きろ

兄弟子の言う事は聞くもんだぜ?

分かったら歩き出せ

絶対に後ろを振り返るな

前だけを見て

あの綺麗な光だけを見て

進んで行け

 

 

 

なぁ…マッシュ。オレはお前の『兄貴』になれて幸せだったよ

 

いつかオレの事を思い出す時があったら「最後まで馬鹿な兄貴だった」と笑ってくれ

 

…これからお前の人生に 幸福と光が降り注がんことを…

 

 

 

 

 

バルガスは最後まで弟弟子の幸せを願っていて欲しい

それにしても、バルガスを倒した後のマッシュ(ゲーム中)は切り替えが早すぎだと思う