「人は死んだら星になる」と、誰かが言っていた

この星たちは、誰かの命だったのだろうか?

 

 

 

 

 

世界が崩壊し、そのせいで飛空挺が壊れ、仲間は散り散りに空中へと放り出されて行った

モブリズ近辺へと落ちたティナは、モブリズの村人によって発見され、助けられた

でも、助けてくれた村人達、特に大人達は、どんどん死んでいった

愛するものを守るために

 

 

 

いつの間にか、子供だけになってしまった村

ティナは助けてくれた恩返しになればと、子供たちの世話をした

 

 

 

だんだん子供たちはティナに慣れ、ティナも子供たちに暖かい気持ちを持つようになった

しかし、一人だけ、ティナに近寄らず、いつも一人ぼっちになる子供が居た

名前はライラ

ライラは食事も取らず、話さず、他の子供達と遊ぶ事も無い

しかし、夜になるとふらふら外へ出て行ってしまう

探しに行くと、近くの丘で見つかる

何をしているでもなく、膝を抱えて空を眺めているのだ

 

 

 

ある日、又、外に出てしまったライラを捜しにティナは外に出た

最近、モンスターがよく出没するらしい

早く連れて帰らなければと思い、いつもの丘に行くと、ライラは相変わらず空を眺めていた

 

「さぁ、早く帰りましょう?」

 

ティナが手を引くと、バッと手を払われた

 

「この辺は最近、モンスターが出るのよ?」

 

そう言っても、ライラは何も反応しない

置いていくわけにも行かず、モンスターが出ませんようにと祈りながらティナは子供の横に座った

 

「どうしていつも空を見ているの?」

「お腹空いてない?」

「寒くない?」

 

ティナが聞いても無言のまま、ライラは空を見続けている

そんなに面白いものがあるのかしらと空を見上げようとしたときだった

 

 

 

「パパとママは、どこに居るの?」

 

小さな声でライラが言った

ティナが驚いてライラを見ると、ライラはティナを見つめて続けてた空からゆっくりとティナへと目線を移し、続けて言った

 

「人は死んだらお星様になるんでしょう?」

 

 

 

世界が崩壊してから星が出るということは数回しかなかった

黒くて厚い雲が星や月を覆い隠しているためだ

じっと見つめられ、答えを待つライラ

しかし、ティナは言葉が出てこない

 

(そんな事・・・)

 

沈黙を破るようにライラが叫んだ

 

「私もお星様になる!パパとママの所に行く!!」

 

(・・・・・どうしたらいいの?)

 

急に泣き出したライラを抱きしめ、ティナは思った

 

 

 

『一つ生まれたお星様』

 

 

 

急にティナの頭に唄が響く

女性が歌っているようだ

その唄はどんどん大きくなり、ティナは記憶の中に引き込まれていった

 

 

 

 

 

「あぁーん!」

 

記憶の中のティナは幼く泣いていて、とても大きな男性に抱かれていた

男性の頭には二本の角

男性はティナが泣き止まないのでおろおろしている

するとそこにさっきの歌声と同じ声が聞こえた

 

「もう!又、ティナを泣かせて!」

 

優しい音を含んだ声の主は男性に近づき、ティナを覗き込んだ

 

「眠たいみたい」

 

そう言ってくすくす笑うと声の主は歌いだす

 

「あなたが生まれた それは嬉しい奇跡 愛しさが空に上って 一つ生まれたお星様

 あなたが笑った  それは幸せな魔法 嬉しさが空に上って 一つ生まれたお星様

 いつまでも 愛しているわ 愛しい子

 いつまでも 増え続けるわ お星様」

 

いつの間にかうとうとしだしたティナの上に二人の優しい声が降りてくる

 

「その唄は?」

「小さい頃、死んだ母がよく歌ってくれたの。唄が終わると必ずこう言ってくれたわ。

『あなたが愛しいと思う人とめぐり合って幸せになりなさい。宝物を授かりなさい。

そして楽しい思い出を作りなさい。・・・そして・・・あなたの星を増やしなさい』ってね」

「・・・空に、君の星は増えたのかな?」

 

少しの沈黙の後、幸せそうな声が響く

 

「もちろん!今でも増えているわ。」

 

 

 

 

 

ふと、胸の冷たさにティナは我に返った

ティナに抱きしめられてライラはまだ泣いていた

 

「人は死んでも星にはならない」

 

急に言われた一言にライラは体を硬直させた

 

「・・・星は、誰かが誰かを大切だと思ったときに増えるもの。

だから、ライラのパパとママは星にはなっていない。でも、見て?」

 

いつの間にか、雲が消え、満天の星空が二人を包む

二人とも夜空を見上げる

 

「お星様いっぱい・・・」

「ええ。ライラのパパとママはライラの事が大好きだったのね」

「私も・・・大・・・好き・・・・・・」

 

そう小さく言って再び泣き出したライラを抱きしめるとティナは囁いた

 

「あなたが愛しいと思う人とめぐり合って幸せになりなさい。宝物を授かりなさい。

そして楽しい思い出を作りなさい。・・・そして、あなたの星を増やしなさい。

・・・でも・・・今は沢山泣いていいわ・・・・・・・・・星が見守ってくれるから・・・。」

 

大空を埋め尽くす星は優しく二人を照らす

泣きつかれて眠ってしまったライラを抱いてティナは『家』へと戻った

 

 

 

 

 

次の朝、食事の席にライラの姿があった

そして今までの分を取り戻すかのように食べ始めたので他の皆は驚いていたが、ティナはそれを微笑んで見つめていた

食事が終わり、片付けをしているティナの元へライラが近づく

 

「ねえ、ティナ?私、もう泣かない!」

 

急に宣言されキョトンとしているティナにライラは続けた

 

「だって、泣いてたらお星様が見えないでしょ?それに・・・・・」

 

「ティナママや新しい家族の皆と沢山楽しい思い出を作って、私のお星様を増やすの!!」

 

 

にっこり笑ってそう言うとライラは遊ぶ約束でもしてたのだろう、子供たちの方へと走って行った

その背中を見ながらティナは呟いた

 

 

 

そうね。皆で星を増やしましょう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このSSはほしひとつという唄を聴いたとき思いついたものです

「人が死んだら星になる」とはよく聴きますが、嬉しい事が星になると歌うこの唄に驚きつつも感動しました

特に女の子をお持ちのお母さんに聞いて頂きたい曲です

お父さんにはあまりオススメしません(泣いてしまうかもしれないので・・・)