居残り練習を終わらせ、後片付けをして、鍵を職員室に返すと、時計はもう8時を回っていた。

先生に早く帰るように促され、急いで玄関に向かう

靴箱から靴を出そうとした時、教室で女子が話していた事を思い出した

 

 

「ねぇねぇ、知ってる?誰にも見つからないように好きな人の上靴を履いて3歩歩くと両思いになれるんだって!」

「うそー!私、やってみようかな?」

 

 

女子同士のくだらない会話

くだらないおまじない

 

ふと、目に付いたのはあいつの靴箱

 

(くだらねぇ・・・)

 

そう思いながらも、靴箱に手が伸びる

そこには、あいつの靴がちょこんと並んで置いてある

周りに誰も居ないのを確認してから、無造作に靴を出して履く

 

(ちいせぇな)

 

踵が完全にはみ出している

女子の中でも背が低いあいつの靴に、デカイ俺の足

当たり前かと思うと同時に気まずい雰囲気が流れる

 

(何やってんだ・・・俺?)

 

慌てて靴を脱ぎ、靴箱に戻そうとした瞬間頭の中に蘇る一言

 

「両思いになれるんだって!」

 

(・・・両思い・・・)

 

なれるもんならなりてぇ

俺だけを見て、俺の名前だけを呼んで、俺のもんにしちまいてぇ

・・・たとえ、くだらないおまじないに頼ってでも

 

靴箱に戻そうとした手を引っ込め、又、靴を履く

 

(3歩歩けばいいんだよな?)

 

気合いを入れ、ゆっくりと歩く

 

(一・・・二・・・三歩!)

 

(後は誰にもみられないように・・・)

 

潰して履いていた踵部分を伸ばし、靴箱に元通りに収めると

練習よりも疲れた気がして、ドッと汗が噴出す

 

(こんな思いまでしたんだから・・・頼むぜ!)

 

あいつの靴箱に向かって柏手を打って拝むと、メールの着信音

見ると送信者はおまえで『次の日曜日、暇ですか?暇なら遊園地にでもいきませんか?』の文字

 

(マジかよ!?)

 

嬉しさと薄気味悪さが入り混じって慌てて自分の靴を履くと、ニヤケながら家までの道を全速力で走って走って・・・・・・コケた

 

 

 

 

 

 

 

本当は主人公にやらせようと思っていたのですが、和馬がやったら絶対可愛い!と思い、急遽和馬にしました

この位効いてくれたら・・・という気持ちを込めて書きました(私にはさっぱり効かなかったので)