はばたき学園の制服に身を包んだ茶色い髪の少年は雨宿りをしている

ざぁざぁと降り続ける雨は止みそうにも無い

 

頭に鞄を乗せ、ばしゃばしゃと水を跳ねさせ走っていく少女に目を奪われる

その少女は羽ヶ崎学園の制服を着ていた

 

 

(流石に今日も・・・ってことは無いよな)

 

自嘲的に笑ってから、彼はある少女の事を思い出す

 

 

最初の出会いは彼が雨宿りをしようと軒先に入ったときに、先客としていたのが彼女だった

『やっぱり、私も行くよ!』

なかなか止まない雨に痺れを切らし、傘を買いに行ってくると言った彼に少女はこう言った

一緒に濡れてどうすると言ったにも関わらず、付いてきて

最後の一本だった傘を譲り合っているうちにその傘も売れてしまった

 

『意地っぱりだな!』

『そっちこそ!』

言い合いになりそうな雰囲気はクシャミで中断し、笑いあいながらお互いの帰路に着いた

 

 

 

二度目の出会いはバスの中

お年寄りに席を譲ろうとしている彼女の声に気が付いた彼が、彼女の善意を助けようと声を掛けた

結局、彼女を怒らせる事になってしまい、話しかけるなとまで言われて不機嫌にこそなったが

『これは独り言だけど・・・』

その一言で始まった彼の弁解で誤解は解け、意地を張りながらも話す事が出来た

最後には名前を聞こうと試みたが

彼女の降りるバス停のアナウンスにより、それは叶わなかった

 

 

 

(名前が聞けたからって・・・どうなる事もないよなぁ、偶然会っただけなのに)

でも、彼は思わずにはいられない

 

乗ったバスに

 

行った店に

 

そして、雨宿りしているこの場所に

 

彼女が現れはしないかと

 

そして、又、話せはしないかと

 

 

(こんな雨宿りは初めてだ)

 

 

いつもの事なのに

 

いつもの事だったのに

 

誰かを待ち望んでする雨宿りは、彼には長く、そして暖かく感じられた

 

 

 

 

 

 

 

 

私が小学校の頃、車にMDやCDのオーディオなど無く、テープやラジオがよくかけられていて

よく聞いていたのがいなかっぺいさんという方のたしか、だびよん劇場というテープでした

それは東北弁でシャレや漫才をしている内容なのですが、最後に一曲、歌が入っていました

それは雪宿りの歌で

『降る雪も、下から舞い上がる雪もいつもの事。だけど、君とする雪宿りは初めてだよ』

みたいな歌詞でした。

今でも覚えている大好きなこの歌が、このSSの基になっています

今回、大きくズレてしまったので、主人公ちゃんと雪宿りをする話もいつか書いて見たいと思っています